史上最悪のチェルノブイリ原発事故から20年目の今年、5年ぶりの医師研修が実現の運びとなりました。ラトヴィアで実際にチェルノブイリ被曝者の治療に当たっている医師二名が、広島のHICARE(放射線被曝者医療国際協力推進協議会)と長崎のNASHIM(長崎ヒバクシャ医療国際協力会)の受け入れにより、それぞれ広島と長崎で一ヶ月の予定で研修を行います。二人の研修をお引き受けくださったHICARE、NASHIMの両組織に紙面を借りてあらためてお礼申し上げます。10月11日には、研修を終えた両医師を囲んで、ラトヴィアにおけるチェルノブイリ被曝者の現状、日本での研修の成果などについてのお話を聞く懇談会を予定しています。来日する医師のプロフィール・研修の日程などは以下のとおりです。

●ナタリヤ・クルヤネさん(Dr. Natalja Kurjane)
 広島・9月7日〜10月10日

 ラトヴィアの首都リガにあるパウラ・ストラディナ大学病院の職業病・放射線医療センターの医師。ロシア人。専門は免疫疾患。 1995年10月から同センターに勤務し、チェルノブイリ事故処理作業者や職業上放射線被曝をうけた患者の治療にあたっています。その他にも、パウラ・ストラディナ医大の学生たちに、放射線の医学面での影響についての講義を担当、単独・共同で多くの論文やレポートを発表するなど活躍しています。 ナタリヤさんは、広島大学原爆放射線医科学研究所などで約一ヶ月にわたって放射線障害診断コースの研修を受ける予定です。

●ヨランタ・シールレさん(Dr. Jolanta Cirule)
 長崎・9月11日〜10月10日

 ナタリヤさんと同じく、リガのパウラ・ストラディナ大学病院の職業病・放射線医療センターの医師。ラトヴィア人。専門は職業病。 2003年10月から同センターに勤務し、チェルノブイリ事故処理作業者の治療などに従事しています。 ヨランタさんは、長崎大学医学部永井隆記念国際ヒバクシャ医療センターなどで約一ヶ月間の研修を行います。◎パウラ・ストラディナ大学病院は…… 20の専門センターを備えたラトヴィア最大の病院で専門的検査と治療を行っています。同病院付属の「職業病・放射線医療センター」は、外来・入院(45床)を備え、リクヴィダートル(と職業病患者)の診察と治療にあたっています。同センターには、職業病、内科、神経科、精神科、皮膚科、内分泌、免疫の専門医16名がいます。また、同センターには、チェルノブイリで放射線被曝した人々ならびに職業病患者のラトヴィア国家レジストリー(記録保管所)も併設されています。